フラグを立てよう

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ピンクとグレー 加藤シゲアキ著

ピンクとグレー

 

ピンクとグレー (角川文庫)

ピンクとグレー (角川文庫)

 

 

  • ストーリー
    • 一言:芸能界での栄光と挫折。
    • 主人公の河田大貴(りばちゃん)と親友の鈴木真吾(ごっち)は高校生で同時に芸能界へ足を踏み入れる。学校での生活を送る片手間で雑誌のモデル、エキストラなどをし、小遣い稼ぎ程度でやっていた。大学生になると2人は共同生活を始めた。2人は楽しい大学生活を送っていたが、長くは続かなかった。鈴木は瞬く間に俳優として売れてゆき、河田は未だに小遣い稼ぎ程度だった。2人の間には距離ができ始め徐々に不満が募ってゆく。大学のキャンパス移動に伴う引越しで2人はすれ違い、それがきっかけで互いの不満をぶつけ合うことになった。主人公は親友への嫉妬、上手くいかない芸能活動に負い目を感じていた。また、親友は主人公に足並み揃える位に頑張ってほしいという気持ち、有名になることで自分が独り歩きすることの恐怖を感じていた。その後二人は連絡はもとより、会うことすらもなかった。河田は大学を卒業した後も諦めきれずに芸能活動を続け、親友は日本屈指の実力派若手俳優にまで駆け上っていた。まさに、であった。大学を卒業してから二年が経った頃、高校の同窓会で二人は再会することとなる。主人公は鈴木と同じ空間をともにすることに居心地の悪さを感じ、二次会に顔を出さずにさっさと帰ろうとした。しかし、鈴木の方は河田に今から飲みませんかと誘う。河田はバツの悪さを感じながらも了承し、指定されたバーに行った。気まずさを抱えながら小一時間ぶりの再開。二人は数年ぶりに言葉を交わした。そこにいた鈴木は芸能界の荒波にもまれ疲弊し、芸能界で名乗る白木健吾という自分が自分自身を蝕み本当の自分の姿を見失っていた。河田のこれまで抱えてきた思いは消え、憐れみの思いだけがそこにあった。貸し切りのバーで二人は酒を酌み交わした。その日は鈴木のマンションに泊まり、次の日の夜にまた飲む約束をした。夜までの時間河田は時間を潰し、約束の二一時に鈴木の家へ行った。リビングの扉を開けると、そこには鈴木の力のない体が宙に浮いていた。テーブルには遺書と飲みかけの酒が置いてあった。河田は鈴木の遺書を読み、鈴木の遺体に白木蓮吾らしい装いを施し、ベッドに横たわらせた。鈴木を白木として葬ることが彼へのせめてもの思いだった。その後すぐに河田は白木を殺した容疑者として捕まった。留置所に入れられていた間メディアで大きく報道され無罪として釈放された時には有名人となり、亡き実力派若手俳優の親友としてメディアからの仕事も増えていた。河田は白木の過去をテレビで暴露するようなことはしなかった。そんな中、白木の半生を綴る本の仕事が舞い込む。鈴木健吾としての彼を伝えるのは書くことだと思い、その仕事を受けた。出版した本は爆発的な人気を得た。その人気ぶりから映画化のオファーが多数来たがほぼ全て断った。ただ一つ、主演の鈴木を河田が演じるという話だけ多くの条件付きで受け取った。映画は鈴木の過去を綿密に細部まで再現していた。鈴木を演じる河田は彼がこれまでどのような思い、考えながら生きてきたのかを役を通じて理解していく。鈴木が見た世界を見た時、河田は彼の背中を追った。
  • 背景
    • 芸能界・舞台
  • 面白かった点
    • 主人公河田が鈴木を演じる中で河田の演技なのか鈴木の過去なのか見境なくなる場面の表現に臨場感があり、河田の意識の揺れを感じることができた点。

 

今回は「ピンクとグレー」を読んだ。僕は嫌い。後味の悪さが頭にまとわりつく感じで気持ち悪かった。