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『天気の子』は痛烈な社会批判である。

新海誠監督の「天気の子」を鑑賞した。その感想を述べる。

(ネタバレあり)

君の名は。』とは違い、人を選ぶ圧倒的なセカイ系。彼女と世界のどちらを選ぶかという選択肢を出され、彼女を取って世界を捨てた。それもばっさりと捨てた。これは痛烈な社会批判である。

現代日本では経済的に右肩下がり、政治は汚職や国民の為とは思えない言動が多く、しわ寄せを被る一般市民に生きづらさを抱える人をよく目にする。作中でもヒロインは貧しくて、生活をするために未成年にも関わらず風俗で働こうとしていた。これは現代の貧困を如実に表現しているだろう。

こうした状況の中、社会のために動く(犠牲になる)意味を感じにくいのではないだろうか。声を上げても働きかけても良くならないかもしれない、そういった不信感ゆえに社会よりも身近な彼女を選ぶのは何ら不思議ではない。彼女を選ぶことで、社会は沈んでしまう。ある意味、この結末は必然だったのかもしれない。沈んでいく日本、これは新海誠監督の痛烈な社会批判なのかもしれないと感じた。現代だからこそできた表現だったと僕は思う。もう形振り構っていられない所まで来ているのだと、彼は警告したかったのかもしれない。だからこそ、注目が集まる『君の名は。』の次回作として今回の作品をぶつけてきた。そう思える映画でした。

以上、感想でした。
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